この度、当院では新型コロナウイルス抗体検査を開始いたしました。
先頃、厚生労働省が東京・大阪・宮城を対象に1万人規模での新型コロナウイルス抗体保有率調査を実施いたしました。その時使用された検査が「ロシュ・ダイアグノスティックス社」製の試薬でECLIA法となります。欧州においてのCEマークを取得し、米国における米食品医薬品局(FDA)の緊急使用許可も得ている製品となります。
当院においても同検査を採用することといたしました。
簡易キットとは違い、非常に精度の高い検査となっております。(PCR陽性後、約2週間以降の検出感度は100.0%、特異度は99.8%です)
◎今まで症状はなかったが、新型コロナウイルスに感染しても無症状のこともあると知り、心配になった方
◎以前に風邪の症状があり、新型コロナウイルスに感染していたのか知りたい方
抗体検査のみ実施 | 7,700 円(税込) |
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健診と併せて実施 (入間市がん検診を除く) |
5,500 円(税込) |
検査項目名 | 検査方法 | 検査試薬 | 判定基準値 |
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SARS-CoV-2抗体 | ECLIA (電気化学発光免疫測定法) |
Elecsys Anti-SARS-CoV-2(RUO) | (-) 1.0未満 COI |
*現時点において本検査は研究用項目となり、保険適用外となります。
*健康診断・人間ドック等でも同時に検査可能です。抗体検査のみの場合は少量の採血で検査可能です。
*PCR検査(ウイルス存在の有無を調べる)とは異なりますので、診断書や証明書の発行はいたしておりません。
(-) | 陰性の結果は、「過去にウイルスに感染していない」がほとんどですが、まれに「感染初期で抗体が存在しない」という場合もあります。そのため何か自覚症状がございましたら、必ず医療機関をご受診ください。 |
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(+) | 陽性の結果は、「既に感染後で抗体を保有しています」。症状がみられなくても必ずPCR検査をお受けください。 |
2019年12月以前(新型コロナウイルス発生以前)に集められた5,272検体(風邪・その他コロナウイルス検体を含む)を用いて特異度を算出したところ、特異度は99.81%となりました。
集団 | サンプル数 | 反応性 | 特異性 |
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一般検体 | 3420 | 7 | 99.80%(99.58 – 99.92%) |
献血者 | 1772 | 3 | 99.83%(99.51 – 99.97%) |
風邪検体 | 40 | 0 | 100%(91.19 – 100%) |
他のコロナ ウイルス検体 |
40 | 0 | 100%(91.19 – 100%) |
全体 | 5272 | 10 | 99.81%(99.65 – 99.91%) |
* 40 potentially cross-reactive samples from individuals with past infection with coronavirus HKU1, NL63, 229E, or OC43, confirmed by PCR.
症状を有し、PCRにてSARS-CoV-2 陽性となった69人の患者から採取した204検体を測定したところ、PCRで陽性確認後14日以降の患者では、抗体の検出感度が100%でした。
PCR陽性確認後日数 | サンプル数 | 感度 |
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0~6日 | 116 | 65.5%(56.1 – 74.1 %) |
7~13日 | 59 | 88.1%(77.1 – 95.1 %) |
14日~ | 29 | 100%(88.1 – 100 %) |
* CI: confidence interval